【コラム】子どもの一瞬一瞬の成長記録を高画質で残したいなら、静止画ではなく、「動画一眼×ジンバル」が一番だと思う。

子どもを持つ親にとって、子どもの成長記録は良い思い出だし、宝物。できれるだけ綺麗な画質で残しておきたい!というパパママは非常に多いと思います。今回はこれを重要なテーマに少し話したいと思います。

なぜ、動画一眼なのか

子どもの成長を記録するなら別にiPhoneがあるじゃないか、アクションカメラがあるじゃないか、コンデジがあるじゃないか、ビデオカメラがあるじゃないかという意見はもちろん理解します。でも、今回のテーマは「いかに、綺麗に動画を残すか」です。

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上に挙げた製品の特徴は、「いかに素早く記録を開始できるか」という観点(つまり機動力)では非常に優位性がありますが、「いかに綺麗に動画を残すか」という観点では不向きな製品です。

一般的に、カメラで高画質に撮影する場合は、映像素子と言われるイメージセンサが 物理的に大型でないといけません。いわゆる「フルサイズ」ですとか、「APS-C」というカメラが一眼レフでは一般的になりますが、当然このイメージセンサを大型化すると、カメラ本体も大型化する必要が出てきます。(特に動画は熱処理が必要なため、大型化しやすい)

フルサイズミラーレス一眼レフの代表「SONY a7iii」

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ですので、綺麗な画質で動画を撮影するには多少大きさを犠牲にしてもイメージセンサが大きいフルサイズのミラーレス一眼レフ(最低でもAPS-C機)が必要になってきます。上に挙げたコンデジやアクションカム、ビデオカメラはこのイメージセンサが一眼レフに比べて小さいため、機動力がある反面、こと画質について言うと、低画質で高感度にも弱い、被写界深度も浅く、ボケの表現がしにくい、という特徴があります。

高画質な動画を残すメリット

動画を残す一番のメリットは静止画では表現できない、「時間」という概念と「音声」という概念が存在し、”記憶”としても残しやすい点が一番のメリットになるのは当たり前ですよね。例えば、子どもの「ギャン泣き」というシーンを例にとると、静止画では表情しか分かりませんが、動画になれば、子どもや子どもをあやす親の声も残りますし、時間という視点では「なぜ、泣いているか」というのも記録されていれば、親の記憶を呼び起こしたり、「あぁこれが泣いていた原因だったね」といった違った記録を残すことできますね。

ただ、これは誰もが分かるメリットで、当たり前と言えば当たり前。でも、こと、子どもの成長記録という点になると、静止画ではなく動画で撮るという点には他の大きなメリットがあるのです。それは「一瞬を逃さない」という点です。

子どもは成長が早いので、二度と同じ表情をしてくれません。その一瞬を撮り逃したら終わりです。撮り直しがききません。

でも、静止画では、常に良い表情、シーンを撮り続けることができません。連写にも限界があるからです。

一方、動画はどうでしょうか。昔のような8mmフィルムのアナログな時代ではなく、現在はデジタルの時代です。何度も撮り直すことができますし、長回しで撮影し、必要なシーンだけを後で編集して動画を残すということもできます。また、動画だけなく、一連の動画から好きな部分を静止画としても取り出すことができます。(機種によってはこれをカメラがだけで完結できるような機種もあります)

これこそが動画で撮影することの”記録の豊富さ”の次に大きなメリットになるポイントになるのではないでしょうか。

しかも、一昔前はカメラの動画機能はあくまで静止画のオプションという位置づけでお試し程度の機能でしたが、カメラメーカー各社は利用者の動画のニーズにも応えるように次々と新機能、高性能化を実施してきました。

そのおかげもあり、FHD(1,920px×1,080px)のサイズを越え、4K動画を撮影できる機種が増えてきました。4Kとなると画素数はFHDの4倍にあたり「3,840px×2,160px」にもなります。FHDは約200万画素だったのが、4Kでは約800万画素になります。(さらに、SONY a7iiiは6Kの全画素読み出しを行い、4Kにダウンコンバートして動画を記録している)

動画は静止画の集合体(要はパラパラ漫画)なので、4Kであれば800万画素の静止画が30コマ/秒~60コマ/秒分記録されているということなので、そこから1枚の800万画素の静止画をしかも綺麗に高画質で撮影されたデータから抽出することができる、と考えれば、「一瞬を逃さない」という課題はこの動画からの切り出しによって解決することができるのです。

長々と語ってしまいましたが、だからこそ「高画質で動画を撮る」必要があるのです。

ジンバルが動画一眼に必要な理由

子どもはとにかく予期せぬ動きをします。これはカメラマンにとっては非常にやっかいで動きを想定できませんし、常に子どもを追いかけようとすると、手持ち一眼レフではどうしても映像がブレます。ブレまくります。

 
見れたもんじゃありませんし、長時間見ていると酔います。確実に。

しかも、高画質な動画ほど鮮明にブレが分かりますので、このブレの感覚が顕著に分かってしまいます。

ミラーレス一眼レフを使って、動き回る子どもをヌルヌルな映像(ブレない)で記録するためには、手持ち撮影では限界があり、別途ジンバル、スタビライザーという製品が必要になります。

 
(ジンバル大手のDJIのRONIN2。かなり大がかりで、背負って撮影する必要がありますが、子どもを見ながらこれを担いでなんて、できませんよね?)
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このジンバル、一昔前は非常に大きな装置でプロしか使わなかったのですが、技術の進歩により高性能かつ小型化、低価格化したため、一般ユーザの手の届く範囲になり、利用が一気に加速しました。

これくらいなら持てますか?DJI RONIN-SC。頑張れば片手で手持ち撮影ができる時代に

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ジンバルをソフトウェアが越える時代は来るのか。

ジンバルやスタビライザーはこの動画を高画質に綺麗に残す一眼レフの映像をより魅力的に残すための製品になります。ジンバルの構造を簡単に説明すると、カメラを常に地面と平行にし続けるための、振り子のような商品と考えると分かりやすいかと思います。本当に振り子のような構造をしている商品もありますが、現在の主流はXYZそれぞれの3軸に電子モータがついており、そのモーターの細かな制御によって、常にカメラを地面に平行に保つ電子モーター式ジンバルになります。

 
ジンバルの構造や仕組みを解説した動画を紹介
ミラーレス一眼レフをこのジンバルに載せて手持ちで撮影すると、手ぶれが非常に少なくなるため、ヌルヌルとした、画角ぶれない映像作品を残すことができるようになります。
手ぶれ補正は技術も進歩してカメラ本体、レンズ本体にそれぞれ補正機能をハードウェアとして搭載し、処理するのが一般的ですが、カメラによっては電子的に手ぶれを補正するような機能を持ったものもあります。

これは、デジタル出力された映像を多少画角を犠牲にしながら、ソフトウェア処理によってあたかもブレていないように見せる技術です。この多くはGoProやOSMO Actionなどのアクションカメラに多く搭載されており、コスト高となりやすいハードウェアの手ぶれ補正機能をソフトウェア処理に切り替えて、本体を安く軽く設計することに成功しています。

 
GoPro Hero8でのソフトウェア処理による手ぶれ補正(Hyper Smooth2.0)
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ただ、このソフトウェア処理も今の技術ではハードウェアの処理までは追いついておらず、やはりジンバル等で撮影した映像の方が、よりブレない映像を記録することができます。

考え方によってはどちらも機能もONにして撮影するというハイブリッドで利用するという手段もあります。つまり、ジンバルで撮影しつつ、ソフトでも手ぶれ補正をかけるという方法ですね。こうすると、ずいぶんと手ぶれしない映像を撮影することもできます。(ただし、先ほどの通り、映像はクロップされて、画角が狭くなります。)

まとめ

このように、ミラーレス一眼レフによる動画撮影は「高画質な映像」を記録することが他の製品に比べ優位であり、さらに、一瞬を逃さないという点においても、動画で記録しておけば、大切なワンカットの静止画を切り出す、という事ができますので、このようなニーズには動画一眼が最適な手段と言えます。

また、子どもを持つ親御さん、パパママさんにとって、動き回って予期せぬ行動をする被写体を撮影する場合、ジンバルを使って、長回し、追いかけるスタイルで安定した映像を撮影をすることで、さらに表現の幅が広がるので、おすすめです。

もちろん、コンデジやiPhoneなどの機動力のあるカメラを否定するものではありませんし、むしろ両立をさせることでニーズやシーンにあった映像を残すことができるでしょう。それぞれの製品の特性をよく理解して、「うまく使い分ける」ということが重要だと思います。

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