ソニーのミラーレス一眼レフαの多くの機種では、動画記録時にプロキシ記録といって、通常の動画撮影データと並行して比較的データ量が小さく、扱いやすい形式でSDカードに同時記録してくれる機能があります。
プロキシ記録の解説は以下の動画が詳しいです。
カメラのプロキシ記録はなぜ必要なのか?
4Kなどのデータ量が大きい動画データをAdobe Premiere等で編集する際に、プレビュー時に生データを使って編集するとマシンスペックが低いPCではカクツキが多く発生するため、非常に編集がもたつきます。
これを解決してくれる方法がプロキシデータを使った編集方法です。
Adobe Premiere等の動画編集ソフトでも生データからプロキシデータを作成してくれる機能はあるのですが、プロキシデータを作成するには時間がかかるため、編集をスグに開始できないという課題があります。
これを解決するため、カメラ側に機能を持たせ、動画撮影の生データとは別に並行してプロキシ記録データをSDカードに保存してしまおうという発想で作られた機能が「プロキシ記録」機能となります。
ソニーαでのプロキシ記録の設定方法(a7III)
a7IIIを例にすると、以下の通りメニュー画面から設定できます。
MENU→
(撮影設定2)→[
プロキシー記録]→希望の設定を選ぶ。
ILCE-7M3 | ヘルプガイド | プロキシー記録
以下にメニュー画面のスクショを載せておきます。(プロキシ記録が「切」)
プロキシ記録を「入」にする。
4K撮影時にプロキシ記録をONにすると顔認識AFがOFFになる問題
ただ、ソニーの一部機種では、このプロキシ記録をONにすると、顔認識AFがOFFになってしまう問題が昔からあります。
私が確認した範囲では、α7III、ZV-1(ソニーストア銀座の実機で確認)では顔認識AFがプロキシ記録ONではOFFになりました。
実際の画面をお見せします。
まず、プロキシ記録OFFでのa7IIIの液晶画面です。
赤枠の通り、顔認識AFが「ON」になっています。
次に、プロキシ記録をONにした場合です。
赤枠の顔認識AFの有効無効を示すアイコンがOFFになっていますね。
実機をお持ちの方は実際にご自身の機種で試してみてください。
おそらくプロキシ同時記録はCPUパワーが必要で、カメラのチップ性能に依存するためと考えられます。
a7IIIやZV-1などの普及機ではソニーのカメラのCPUである「BIONZ」のパワーが足らないのではないかと想定しています。
a7SIIIではこの問題が解決されていることを確認!
10/9に発売予定のa7SIIIではこの問題が解決されていることを、ソニーストア銀座で展示されていた実機で実際に試してきて確認できました。
私が調査した範囲では、4K/120p撮影時を除き、以下のケースでもプロキシ記録がONでも顔認識AFがOFFにならないことを確認しました。
※4K120pではそもそもプロキシ記録をONにすることができない設定のため、プロキシ記録はできないが、顔認識AFはONで撮影可能
余談:a7SIIIのSlog撮影時のISO感度
話は変わりますが、ソニーストア銀座でa7SIIIの実機でS-log撮影時の最低ISO感度も調査してきたので、参考までに掲載しておきます。
※a7IIIでは最低ISO感度は「800」
(a7IIIではS-logはざらつきが多く、使い物になりませんでした)