ミラーレス一眼レフなどで動画を撮影する際に手ぶれを起こさず、ブレない映像を残すために必要となるジンバル、スタビライザー。この多様な製品がある中で、驚異的にコンパクトで、かつ、子どもの撮影に向いていて、ローアングル撮影が可能な「Zhiyun Weebill Lab」のご紹介です。
発売からかなり時間が経っていますが、長期間使用してみて、心底パパママに特化した製品と感じているため、その視点でレビューします。
最後にはこのジンバルを生かしたローアングル撮影で子ども追いかける動画サンプルを載せていますので、ぜひご参考になってください。
まずは結論から(忙しい方はここだけ読めばOK)
- A4サイズに収まる驚異的なコンパクト設計。荷物が多いパパママに嬉しい
- 子どもを看ながら撮影もこなすパパママを応援する製品
- ローアングル撮影が可能で子どもの目線で、表情もバッチリ。ローアングルで子どもを追い続けられるのはこの製品しかない
- ロック機構がついたことにより、片手で安心して持ち運べる
- カメラを出して、さっとジンバルに取り付けられるよく考えられた作りで、一瞬のシーンも逃せない、子ども撮影に向いている
- 意外と重たいカメラも搭載できるパワフル設計
それでは、それぞれ見ていきますが、その前に・・・
なぜジンバルが必要なのか、動画一眼で記録する必要があるか
これは、前回記事にしているので、以下のリンクからご参照ください
【コラム】子どもの一瞬一瞬の成長記録を高画質で残したいなら、静止画ではなく、「動画一眼×ジンバル」が一番だと思う。 | monozo.jp
A4サイズに収まるコンパクトな本体設計
Weebill Labはとにかく本体がコンパクト!ということにつきます。一度もジンバルを触ったことがない人にとっては大きいかもしれませんが、ジンバルとして有名な「DJI RONIN-SやRONIN-SC」よりも一回り小さく、片手で持てる大きさです。
RONIN-Sを昔所有していたことがありますが、あればプロ用といいますが、かなり重いカメラも搭載できるパワフルモーターを搭載しているため、非常に重く(本体だけで2kg弱)、普通に数十分撮影しただけで片手がパンパンになります
パパママにプロ機は不要ですよね。
重いミラーレス一眼レフカメラを地面と平行に保ち続けるためのモーターはある程度大きくなる必要がありますが、Weebill Labは本体が1kgを切って「約970g」、カメラの最大積載量は「3.0kg」となります。
下の台座グリップを外して、2つに分離すれば、トートバッグやショルダーバッグであれば、バッグにすっぽり入ります。
これもすごいことで、普通は次に説明する持ち運び用の専用の収納ケースが必要になりますが、これが無くてもバッグに入る大きさというのは本当にパパママにとって素晴らしいです。
本体の作りは軽量化のためにやや安っぽい作り
本体は軽量化のため、至る所でプラスチック樹脂が使われており、やや安っぽい印象を受けます。ただし、ここは最初は気になりますが、長期間使用すると気にならなくなります。
撮影が主であるため、ジンバルに目が行かないことと、ジンバルそのものの手ぶれの補正力やジンバル本体の機動力を重視するようになるためです。
専用収納ケースもコンパクト
これもめちゃくちゃパパママには重要な要素です。とにかく子どもの荷物が多いパパママにとって、収納バッグが大きい!重い!はあり得ません。持ち運びが大変で大がかりになればなるほど、撮影が億劫になってしまいますよね。
大きさは・・・収納ケースもコンパクトな設計です。
収納ケースの横の長さは36.5cm
約36.5cmです。
収納ケースの縦の長さは33cm
約33cmです。
収納ケースの奥行き(厚み)は10cm
約10cmです。
もちろん、本体がコンパクトなので、前述の通り、収納ケースを持たずに、普段のバックに入れて、持ち運ぶこともできます。
A4サイズなので普段のカメラバッグにも収納できる!
これは嬉しいです。余計な収納ケースを持ち歩かなくてよいことは、たださえ荷物が多いパパママには非常にありがたいことです。
以下の写真は私が普段愛用しているカメラ向けショルダーバッグです。ショルダバッグだと両手が使えるので、パパママにはおすすめです。カメラバッグとしては有名なハクバ(HAKUBA)のカメラバッグで、カメラバッグの中では中型のサイズです。
このバッグの上部の部分にこのWeebill Labはすっぽり入ります。
Amazonでチェック(HAKUBAカメラ用ショルダーバッグ)
カメラ上部のファスナーを開けて・・
Weebii Labはローアングルモードの台座グリップをそのまま付けた状態で・・
入るか!!!???
ほら、入りました!このショルダーバッグは下部の部分が両サイドのファスナーからアクセスできる収納が2つあり、それぞれ標準ズームレンズ付きのカメラ2台、またはレンズ付きカメラ1台とレンズ2台であれば余裕で収納できます。
もちろんパパママはお子様の荷物(例えば着替えとか、おむつとか、スパウトなど)も必要だと思いますので、ジンバル、標準ズームレンズ付きのカメラ、単焦点レンズ、子どもの荷物、といった収納が可能なので、おすすめです。余談でした。
いざ、開封!
それでは、開封です。ピッタリ本体が収まる収納ケース
収納ケースを開けるとこのようにピッタリと本体が収納できます。左上が三角に開き、台座としても持ち手としても使えるグリップ、真ん中がジンバル本体。右上がケーブル類の小物入れ、左下が充電器となります。
三角に開く台座グリップ
台座はカメラの底面の三脚穴に回して接続できるタイプモノでこのように三角に開くので台座としても利用できます。カメラを取り付けるときには重要なアイテムです。
このようにジンバル本体の底面に三脚穴があり、台座を回して取り付けます。
以下の写真のように撮影時はグリップとして利用されることになります。左の場合はローアングルで撮影する場合、右側が通常の撮影スタイルに最適なグリップの付け方です。
ケーブル類の小物入れ
ジンバルと本体とを接続するケーブル(フォーカス制御)やバッテリーの充電ケーブルが付属します。
電池は専用の充電池を使用する
ジンバルには3軸にそれぞれ制御モーターが付いており、常時回転することでカメラを地面と水平に保ち続けます。
このモータを駆動させるためには電力が必要になりますが、Zhiyun Weebill Labは乾電池やUSB接続等による本体充電ではなく、専用の充電池を使います。
ジンバルの多くはグリップ(持ち手の)中に挿入するケースが多いですが、Weebill Labはローアングル用に突き出たL型の上部の裏面に電池を2つ挿入します。
比較的大きなリチウムイオン電池で2600mAhの比較的大容量の電池を使用します。その分電池持ちもよく、公称値は最大10時間駆動しますので、1日使い倒す程度の電力は確保できます。
上の写真のように、付属の充電器を使用して充電します。充電器はUSB Type-B端子に対応します。
カメラ本体にUSB-TypeCの接続端子がありますが、これは本体ジンバルのファームウェアアップデート用であり、ここからジンバル本体に取り付けた充電池を充電することはできません。
ジンバル本体にスマホを取り付けてカメラの映像を無線で飛ばせる
別途オプション品となりますが、スマホにZhiyun公式アプリをインストールし、ジンバル本体に取り付けられるクリップを購入することで、カメラの映像をリアルタイムに無線で飛ばし、映像を確認しながら撮影するようなスタイルで撮ることも可能です。
こちらがオプションのスマホ取り付け用クリップ。
ジンバル本体にクリップとスマートフォンを取り付けた状態。カメラの背面液晶では小さかった映像も、スマホに映像を飛ばすことで、リアルタイムに映像を確認しながら撮影が可能。
カメラの取り付け編(撮影まではいたってシンプルで機動力抜群!)
ジンバルを起立させる
以下のように、ジンバルを起立させ、カメラと取り付ける準備をします。このようにジンバルを立てられる、というのは非常に重要で、カメラをジンバル本体に取り付けやすくするだけでなく、撮影の合間にジンバルをイスや机にちょっと、置いて休憩する、なんてこともできるためです。
カメラ本体にシュー(台座)を取り付け
以下の写真のようにあらかじめ、カメラ本体の三脚穴を経由し、ジンバル本体に取り付けるための台座を固定します。硬貨が1枚あれば取り付けられます。
普段ジンバルを利用しない場合でも取り付けたままにしておけば、いざジンバルで撮影したいと思ったときに、すぐにジンバルに載せて撮影が可能です。
a7iiiに取り付けた場合ですが、カメラが水平にできないのは評価が分かれるところです(が、大したデメリットではありません)
ジンバルへの取り付け
ジンバル本体側に固定された台座にワンタッチで取り付けられます。下の写真の左下に付いているバネ付きの円筒の棒を押せばワンタッチで取り付けられます。
以下のように親指で押して、固定
ロック機構の解除(3カ所)
このWeebill Labにはそれぞれの3軸モータの軸が動かないよう、それぞれにロック機構が付いています。これも非常に便利な機能であり、ロックすることでカメラをジンバルに取り付けた状態で持ち運びすることができ、安定した運用が可能です。
3カ所を全てロックした状態は以下。各軸が動かないようになることで、持ち運び時は非常に安心できる。
カメラを載せたらバランス調整を行う
カメラを載せて、各ロックを解除したら、後はバランス調整行うだけです。下の図はバランスがとれた状態。各軸の金属のネジを回して、重心の位置を微調整します。
一度バランズ調整をしてしまえば、後はシュー付きの状態のカメラをジンバルへ取り付ける、取り外すだけを操作を繰り返すだけになるので、以後はバランス調整が基本的には不要になります。(カメラを変えたり、レンズを変えたりすると重心が変わるので、もちろんリバランスは必要になる)
ジンバル本体の電源をON
あとは、本体の電源をONにすれば、あとはカメラとして撮影するだけです。非常に簡単です。
細かいバランス調整は専用スマホ向けアプリや本体からも操作できます。
また、カメラ本体とジンバルを有線(付属のUSBケーブル)で接続すると、ジンバル本体からISO感度や絞り値を変更することができます。
上の写真のセンターコンソールを動かすと、ジンバルのカメラを水平に維持したまま、縦振り、横振り(パン、ロー)の操作を行うこともできます。
ローアングルモードへの切り替え
ローアングルで撮影する場合は、先述のジンバル下に付いている台座グリップ(持ち手の部分)を取り外し、下の図のようにジンバル本体の6穴(三脚穴)に取り外した台座グリップを回して取り付けます。
グリップとカメラを取り付けて電源をONにした状態が以下の写真の通りです。
動画サンプル(Weebill Labでのローアングル撮影)
Youtubeに動画サンプルとして2つの動画をアップしましたので、ご覧ください。
ローアングルでも映像がブレにくい設計
ローアングルで撮影した場合、手元と体が離れるため、歩くことによる上下動がいくらジンバルだとはいえ、上手く歩きながら撮影しないと発生してしまいますが、Weebill Labの場合、下の写真のように、ローアングル撮影すると手元の上下動が上手く、相殺されるようなカメラとジンバルの位置になります。
【まとめ】カメラを出して、さっとジンバルに取り付けられ、一瞬のシーンも逃さない良き相棒
それでは最後に今一度、この製品がなぜパパママに特化しているかをまとめます。ポイントは4つです。
- 収納ケースが要らず、自分のバッグから取り出せて、しかも軽くてコンパクト
- バランス調整済みの状態でジンバル本体を収納できる
- マンフロット対応のクイックプレートをカメラにあらかじめ取り付けておけば、ジンバル本体にワンタッチで固定できる
- ジンバルとカメラをバッグから取り出し、バランス調整不要のままジンバルに乗せ、3つのロック機構を解除し、電源ONの4ステップ。スグに撮影を開始できるので、一瞬の大事なシーンの逃さない
モータの強度が増し、より重いカメラを搭載できる次期モデル「Weebill S」
Weebill Labの次期モデルのため、価格はやや高くなりますが、こちらもおすすめです。