AppleのAirPodsProを1ヶ月使用した感想をAnkerのZolo Liberty+と比較しながら語ってみます

未だに入手困難な状態が続いているほど人気のAppleのAirPods Pro。Liteという製品が新たに発売される噂もちらほら聞こえてきますが、AirPods Proを今年の1月になんとか入手し、1ヶ月ほど経ちましたので、私なりの視点で使用感含めてレビューしたいと思います。

製品概要、開封レビューはYouTubeや至るところでレビューされていますので、そちらを参考にしていただき、この記事では普段使いとしてのAirPods Proがどこまで生活に溶け込むか、という視点でAnkerのZolo Liberty+と 機能面、性能面で比較しながら、詳細に使用感を語っていきたいと思います。

製品比較(AirPods Pro vs Zolo Liberty+)

性能面と音質面をそれぞれの観点でレーダーチャートを作成し、比較しました。

性能面

Apple AirPods Pro Anker Zolo Liberty+

Anker Zolo Liberty+はノイズキャンセリング機能がないため、0の評価としています。

音質面

Apple AirPods Pro Anker Zolo Liberty+

では、それぞれの比較軸で詳述していきます。AirPods Proのレビューなので、AirPods Pro中心の内容になりますことをご容赦ください。

性能面の比較

ノイズキャンセリング機能は普通で自然

AirPods Proのノイズキャンセリング機能はいたって普通というか自然です。普通というは悪いという訳ではなく、自然に利いているので、没入感は良く得られます。工事現場の騒音や車の走行音、飛行機のジェット音などもよくキャンセリングされ、不快な音が入ってくることもありません。

 

だからといって完全に音が遮られるという訳ではなく、全体的に音の入力が小さくなるというイメージなので、小さい音(例えば自分の歩く足音など)は遮られ、大きな音はマイルドになって耳に入ってくる、という状態になります。

操作性はややAirPods Proの方が上

「ノイズキャンセリング⇔外部音取り込み⇔通常音」の切り替えや早送り、早戻し、再生、停止等の操作については、ややAirPods Proの方が使いやすいと感じましたが、だからといって、Zolo Liberty+が使いにくいか、というとそうではなく、どちらも直感的に操作できます。

 

AirPods Proの操作は「うどん」のへこみ部分を片手で挟む

唯一の違いは、Zolo Liberty+はイヤホンの横を押して操作するのに対し、AirPods Proはいわゆる「うどん」部分、すなわち、イヤホンから出ている円筒の筒を摘まむ形で操作するという点になりますが、摘まむという操作と押すという操作を比較すると、後者は耳に押し込むという方向になり、耳が押される形になるため、やや不快感がある。というのが、私の主観です。

 

Anker Zolo Liberty+は画像の「zolo」のロゴマークを片手で押し込む

もちろん、個人差はありますので、大きな違いではないかなとは思いますし、操作数が異なるわけでもありません。

接続の容易さは実はAirPods ProもAnker Zolo Liberty+も同じ

多くのレビューではAirPods ProはiPhoneやiPadと一緒に使うと使いやすいという意見も多く聞かれますが、私はそうは思いませんでした。確かに、最初の接続はAirPods Proの方が楽です。本体からイヤホンを取り出せば、勝手にiPhone側に接続のための案内が出現しますから、そういった点では簡単なのですが、一度接続してしまえば、要はBluetooth製品なので、基本的にペアリングが完了している製品なら、どんな製品でも電源オンで自動接続ができるはずなので、ここに明確な違いがあるとは言えません。

 

iPhoneとAirPods Proの相性は抜群。ただ、初回だけで接続性には差がない。唯一の点は電池残量の表示であるものの、そこまでこれが便利かというと、疑問符がつく。

iPhoneと一緒に使うから楽だ、という意見は、私はさわりだけの評価に過ぎず、別に少し触ってみれば同じだと気づくし、AndroidユーザがAirPods Proを使ったっていいじゃないか、という意見を持っています。

携帯性はAirPods Pro

定量的な評価としては重さということになりますが、重さはやはりAirPods Proが56~57gなのに対し、Zolo Liberty+は118g(ちょうど2倍)なので、AirPods Proの方が軽く、携帯性は上です。

 

AirPods Proは57g
AirPods Proは片耳で5g
Zolo Liberty+は118g
イヤホンは片耳で6g

電池持ちはZolo Liberty+

電池持ちを評価する際には、イヤホン本体だけではなく、母艦(収納ケース)側のバッテリー持ちも重要な判断材料になります。公称値ではありますが、ここはZolo Liberty+の方が上です。

 

AirPods Proはイヤホンで4.5時間、ケース側も使用して24時間持ちますが、Zolo Liberty+はイヤホン側で3.5時間、ケース側で48時間持ちます。イヤホン単体はAirPods Proの方が上ですが、実体感上は同じでした。やはり、収納ケース側のバッテリーが全体の電池持ちを左右すると言えます。

一方で、AirPods Proの収納ケースはワイヤレス充電(Qi)に対応しています。この点はAirPods Proの方が便利であり、充電のしやすさではAirPods Proの方が上のため、電池持ちに対する評価はどちらも同じ程度、といえるかもしれません。

 

AirPods Pro専用ケース「Incase AirPods Pro Case with Woolenex」を 装着した状態。Qi充電に対応して、利便性が向上
Zolo Liberty+はUSB接続で有線充電

音質面の比較

確かにAR(拡張現実)の実現力は半端ないプロダクト

従来のAirPodsにノイズキャンセリング機能が追加されて突如発売となったAirPodsPro。AirPods Proがここまで人気なのは、そのノイズキャンセリング機能であるということは至る所で語られていますが、強いキャンセリングが働くか、というとそうではないのがAirPods Pro。

他のワイヤレスイヤホンと比較しても、特にノイズキャンセリング機能が優れている、というわけではありません。

AirPro Proの最たる特徴はどちらかというと、このノイズキャンセリング機能ではなく、外部音取り込みであるという点だと私は思います。

 

黒い部分が外部音を取り込むマイク

他のワイヤレスイヤホン、特段この記事で比較する「Anker Zolo Liberty+」にも外部音取り込みが搭載されていますが、あくまでとって付けた感があり、「マイクで音拾ってます」という感が出てしまい、文字通り、周囲の音にマイクからの音を足して流している、ということが分かるため、聞いていると非常に違和感を感じ、長時間聞いていると疲れてしまいます。あくまで一時的な利用を想定して設計されているという印象です。

しかし、AirPods Proはその違和感がなく、非常に自然に耳に周囲音が入ってきて、そこに音楽がプラスされるのですが、ここの作りが非常に上手いと感じています。まさしく、AR(拡張現実)を実現しており、AirPods Proを通して、現実に音楽が鳴っている、という体験を得られます。

なぜ、AirPods Proの外部音取り込みは”自然”なのか

この違いはどこにあるのか。Anker Zolo Liberty+と注意深く比較して分かったのは、「イヤホンから聞こえてくるマイクからの外部音(作られた音)」と「イヤホンをしていても自然に外から入力されてくる周囲の音(自然音)」に遅延がまったくないから、ではないかと思います。ここに少しでも遅延があると、サラウンド感といいますか、上記の2種類の音の違いが分かってしまうため、”作られた音”感が出て、これが違和感に繋がるのだと私は思っています。

 

イヤホン底面にもマイク?

ここの作りがAirPods Proは上手いので、そこにイヤホンからの音を重ねても、自然な音で聞ける、長時間イヤホンをしたまま、会話もできるということだと理解しています。

音の解像感はZolo Liberty+

音質面の評価は個人差がありますので、あくまで私の感想になりますが、音の解像感(クリアな音)はZolo Libety+の方は上だと感じました。AirPods Proはやや曇った音に聞こえます。

音質は一概に言えないが、重低音が強いのがZolo Liberty+、フラットなのがAirPods Pro

ここはよくレビューされていますが、重低音が強く味付けされているのはZolo Liberty+です。電車の通勤等において、騒音がやや低い音になる傾向においては、重低音が干渉されて打ち消されるため、重低音が強い方が良いというのが私の好みなので、そういう面ではZolo Liberty+の味付けの方が好きです。一方で、AirPods Proはフラットな音のバランスになっていて、聞きやすさはあるのですが、やや物足りなさもあります

 

ただ、まったく重低音が聞こえないか、というとそういうわけではなく、比較的頑張っている感覚はあり、特にノイズキャンセリング機能を働かせている最中は、騒音が耳に入ってきにくい状態にあるため、重低音も比較的よく利いており、良質な音質で音楽を聴くことはできると思います。

音の途切れはどちらも発生するが、頻度はZolo Liberty+の方が多い

ワイヤレスイヤホンの宿命は、どうしても音飛び(途切れ)が発生することです。これはBluetooth接続であるがゆえん、無線であるがゆえんなので、どうしようもないですが、特に無線が飛び交う混雑した電車内、駅構内ではこの傾向が顕著です。

普段使いでは、どちらも音飛びや音の途切れは発生しませんが、こと通勤時の混雑した車内、混雑時の駅構内ではどちらの製品でも発生しました。AirPods Proでもこのような状況では発生します。

 

ただ、頻度というとAnker Zolo Libety+の方が頻度が高く、一度発生するとその傾向が顕著に現れるという特性がありました。このあたりはAirPods Proが優秀だなという印象です。

音の遅延はどちらも優秀だが、ややAirPods Proほうが遅延が少ない印象

ゲームやTVなどの音声と映像との遅延については、どちらも優秀でした。ワイヤレス接続のため、遅延がないとは言えず、若干の遅延はどちらも発生します。

ただ、とりわけAirPods ProはややZolo Liberty+と比較すると、遅延が少ないという印象を受けました。(いずれにしても感じる程度であり、どちらも優秀です)

左右イヤホンの同期はZolo Liberty+。AirPods Proは片耳が聞こえない現象が多発

左右のイヤホンは常に同期をして、ステレオの音声を奏でるわけですが、収納ケースから取り出した際に、音楽を再生すると、片耳が聞こえてこない、という現象はワイヤレスイヤホン”あるある”の現象です。取り出し時後の電源の自動オンのタイミングによってなのか、左右の音の同期がされず、片方が聞こえない、という事象がたまに発生します。

Zolo Liberty+は優秀で、収納ケースから取り出して片方しか聞こえなかった、という事象は数回しか起きず、スマホなどと再度ペアリングし直せば、スグに直りました。

AirPods Proもテザリングし直す、収納ケースに再度収納しなおす、という操作を行えば、左右同期されて聞こえてくるのですが、この頻度が多い、というのが印象です。このあたりの設計はファームウェアの向上等で修正して欲しいなと思います。

 

また、AirPods Proは左右の音声の同期が突然、若干遅れる、という現象に陥ることが数回ありました。左右の耳からもちろん音楽は聞こえてくるのですが、非常に小さな単位で音が左右で遅延して聞こえるという事象です。

音がディレイを起こすと、人間はサラウンド効果があるような音の印象を受けるため、このサラウンド感が出て、やや不快感を感じる。ということが何回かありました。これも、収納ケースに一度戻して、再度イヤホンを付け直せば直るのですが、ここも発生しないような設計にしてほしいなと感じます。

AirPods Proの入手は正規Appleストアで、Zolo Liberty+はAmazonがおすすめ

AirPods Proの入手が困難な状況が続いていますが、都内のAppleショップでは丸の内店が入荷しやすいような印象を受けています。(想定のため、根拠はありませんのでご注意ください)

 

また、ネットは入荷待ち状態ですが、ストアは突然在庫が出ることもあり、また量販店よりもやはり正規のAppleストアの方がダイレクトに入荷しやすいと思われるので、値段差もそこまでないApple製品は正規ストアで購入するのがお勧めです(昨今の中国の新型コロナウイルスの影響を考えると、入手困難な状況はますます長期化する可能性もありそうですね。。。)

Anker製品はAmazonが一番入手しやすいと思われます。リンクを張っておきます。後続製品が出ていますが、型落ちはタイムセールで安くなることも多いので、狙い目だと思います。

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